外国で、急に「身分証を見せてください」と言われたら、あなたはどうしますか?
私は、パスポートを持ち合わせていませんでした。もちろん、国際免許証なども持っていません。
それに、迷いました。相手が本当に安全な人なのか、分からなかったからです。
この記事では、バスの車内で突然、身分証を求められた体験と留学生が事前に準備しておきたいことをまとめます。
バス停で感じた違和感

その日は、週末の昼間にバスを乗り継いで、デカトロンに買い物に出かけた日だったと思います。
空港のほうにあるので、観光エリアからは少し離れていたせいか、バス車内は混雑はしていませんでした。
とあるバス停に近づくと、普段は見かけない雰囲気の人たちが、バスを待っていました。3~5人くらい、うち1人は女性でした。
バスの到着を待つように待っていた様子で、みんな険しい表情をしているように見えました。
あくまで私の印象ですが、その時点で、少し怖くなりました。
バスに乗り込んできた人たち

バスが着くや否や、その人たちが乗り込んできました。
アーミーベストのような服の人や、警備員のような服の人もいた気がしますが、私服だったように思います。明らかに「警察官だ」と分かる服装ではありませんでした。 警察のバッジや身分証も、私は確認していません。
だから、警察官なのか、バスジャックなのか、私にはその場で判断がつきませんでした。 安全なのかも分かりません。乗り込むときに何か言っていたのかもしれませんが、動揺していて全く状況がつかめませんでした。
ただ、運転手さんもほかの乗客も落ち着いていました。
周りが慌てていないのを見て、「この人たちは犯罪者ではなさそうだ」と思いました。
そのうち、彼らが一人ひとりに声をかけ、みんなが身分証を見せていることに気づき、「そういうことか」と分かった瞬間、別の不安が来ました。
「パスポートを持っていない。どうしよう。」
私の番

私の番が近づいてくるのが分かりました。
そのとき私は、財布に入れてた「Student Card」を出せばいいかと思っていました。
「Student Card」は、入学時に学校から支給されたもので学校の連絡先が印刷されており、そこに自分の名前、通学期間、滞在住所などを書くスペースと顔写真を貼るようになっています。
しかし、私は顔写真を貼っていませんでした。周りの人は顔写真付きのIDカードを提示しています。「どうしよう、とりあえずこれで説明すればわかってくれるかな?」と考えました。でも、その警官と思しき人々は、結構険しい顔をして一人一人のID確認をスピーディーに実行しています。
何だか圧を感じた私は、顔写真付きのものが何かないか、スマホの中でパスポートの画像を必死に探していました。さすがに手は震えませんでしたが、めちゃくちゃ焦ってきました。そして、探しながらも、頭の中ではずっと迷っていました。「これ、見せて本当に大丈夫?」
相手が本当に善人なのか、私には分からなかったからです。警察のバッジも、身分証も、私は確認していません。
パスポートの画像には、名前も生年月日も載っています。大事な個人情報です。
それでも、見せました。
決め手は、車内の全員が同じように身分証を見せていたことです。運転手さんも落ち着いたままでした。迷いが消えたわけではなく、「この場では出すのが自然だ」と判断した、という感覚に近いです。
私に近づいてくると、理由の説明はなく「IDを見せてください」といった感じのことを言われました。最後に「Ms.」とつけてくれていたので、強い口調ではありませんでした。(すでに記憶が曖昧です)
私は、見つけたパスポートの顔写真ページの画像キャプチャを差し出しました。アプリではなく、ただの画像です。学生ビザで滞在していることも伝えたと思います。
相手は私のパスポート画像を確認すると、そのまま次の人に進みました。
終わったあと
乗客の中に怪しい人はいなかったようで、彼らは「Thank you」と言って降りていったと記憶しています。
そのとき私が感じたのは、まず安堵でした。それと、バスを乗り継いで移動していた途中だったので、「また到着が遅れるー!」というぐったりした気持ちです。
体感では5分ほど止まっていた気がします。長く感じましたが、バスは混雑していなかったので、実際は3分ほどだったのかもしれません。
後から先生に聞いた話
後日、学校でこの話をすると、「たまにあるかも」とのことでした。
犯罪者や不法滞在者の取り締まりが目的だと聞きました。
地元の方の話を聞くと、パスポートを見せたことへの不安が消え、安心に変わりました。
私が学んだこと

① 身元を示せる物を、すぐ出せる形で用意しておく
私は、パスポートの画像をスマホに保存していたので、身分証を求められても対応できました。ただ、画像を探すのに必死になったので、スマホのお気に入りやアルバムの分かりやすい場所に入れておけばよかったと思います。
- パスポートの写し(画像・紙)
- 学生ビザや、学校の在籍を示す書類の写し
- 学校の連絡先が書かれたカード(私は財布に入れて持ち歩いていました)
② 迷ったことを、恥ずかしがらなくていい
私は、相手が本物か確認できないまま、迷いながら画像を見せました。その場で「本物か確かめる」のは難しく、周りの落ち着きが判断材料でした。
それでも、迷った自分は間違っていなかったと思います。「迷う」のは、自分の個人情報を守ろうとする、ごく自然な反応です。
もし次に同じ場面があったら、見せる情報を最小限にする準備をしておきたいです。
③ 慌てない
怖いと感じても、周りの様子を見て、落ち着いて対応することが大切だと感じました。
まとめ|「怖い」と「安全」は両立する
マルタの治安を「すこぶる良い」と感じた私でも、バスで身分証を求められる日がありました。安全な国でも、急な場面はあります。
大切なのは、怖がりすぎることでも、安心しすぎることでもなく、身元を示せる物をすぐ出せる形で用意して、落ち着いて対応できる状態にしておくことだと思います。
