マルタ留学の初日、学校の掲示板で自分のクラスを知った瞬間、思わず心の中でつぶやきました。
「えー、大丈夫かなぁ」
想定していたよりも、ひとつ上のクラスだったのです。
結論から言うと、約半年のマルタ留学で私が学んだのは、英語の伸びを左右するのは「クラスのランク」よりも「誰の授業を受けるか」だということでした。
この記事では、私が実際に通った学校の場合を例に、次の内容をお伝えします。
- マルタの語学学校のクラス分けの仕組み
- 思ったより上のクラスになったときの対処法
- クラス変更を相談する具体的な手順
- 同じレベルでも授業が違う理由と、先生選びのコツ
- グループレッスンとプライベートレッスンの違い
これから留学する方が、「合わない授業を我慢して、留学を後悔する」ことのないように、ぜひ最後まで読んでみてください。
※学校によって制度は異なります。以下は私が通った学校での体験です。
マルタ留学のクラス分けの仕組み
まずは、クラス分けがどう決まるのかを整理します。私の学校の場合はこうでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レベルチェックの時期 | 入学申し込み後〜マルタ到着4週間前までにオンラインで受験 |
| 試験時間・形式 | 45分、択一式(記述問題なし) |
| 試験内容 | スピーキングはなし。リスニングもなかったと記憶 |
| ライティング | 申し込み理由や意気込みを書くコメント欄のみ |
| 結果の通知 | その場では分からず、現地到着後に掲示板で知る |
| クラスの段階 | A1・A2・B1・B2・C1の5段階 |
| 入学日・クラス発表 | 毎週月曜。クラスも月曜朝に掲示 |
| 担当の先生 | 週の中で曜日によって変わることもある |
ポイントは、レベルチェックテストの結果が分かるのが現地に着いてからだったということです。私はクラスが何段階あるのかさえ知らず、初日の掲示板で初めてクラスを知り、「思っていたより上のクラスだ」と焦りました。
思ったより上のクラスになることがある

初日にそんな気持ちになったのは、私だけではありません。
出会った日本人のスクールメイトの中にも、初日の授業で「ついていけない」と感じ、翌日からクラスを下げてもらった人がいました。
なぜ上のクラスになりやすいのか
私の実感では、理由の一つはミドル世代の日本人は会話よりも文法を学ぶ教育を受けてきたから、択一式のテストで点が取りやすいことだと思います。
ところが、実際の授業で求められるのは「聞く・理解する・話す・伝える」力です。テストの点数と、授業で使う英語力にはギャップがあります。
逆に、A2クラスなのに驚くほど話せて、自在にコミュニケーションが取れるヨーロッパの人もいました。
テスト結果=実力ではないということです。
大切なのは、自分が何を伸ばしたいか(話す・聞くなのか、文法なのか)です。
最初に私がつまずいたのはリスニング
私自身も、英語で聞く・話すことに慣れておらず、そこが壁でした。まず、先生が言っていることを聞き取れないと教科書を開くのか、ペアワークをするのか、など次の行動にも進めません。
クラスの雰囲気は時期で大きく変わる

クラスの人数も、授業の快適さを大きく左右します。
少人数の時期(1クラス3〜4人)
先生が一人ひとりに合わせてくれて、とても快適でした。発言の機会も増え、それぞれのペースに合わせながら英語理解を深めていけました。
7・8月の繁忙期(1クラス7〜12人)
学校が休暇シーズンに入る7・8月は、留学生が一気に増えます。
私は少人数制をうたう学校を選んでいたので10人以上になることはまれでしたが、大型校では1クラス20人くらいが普通と聞きました。
1クラス8人くらいになってくると、2人1組になって課題や会話に取り組むペアワークをしたときにとにかくうるさいです。
マルタの建物は石造りで、私の学校は一つ一つの教室も小さかったので、音がよく響きました。負けじとはっきり話す他国の生徒に圧倒され、反響するノイズで頭痛に悩まされたこともありました。
また、多くの生徒がマルタ観光を楽しみにしているため、「どこがいい?」「どうやって行く?」という情報交換で授業の半分が終わってしまう日もありました。
国による授業スタイルの違い
ヨーロッパ出身の生徒は、自分の意見を言う意欲が高く、話すことに重点を置いて英語を伸ばそうとしている印象でした。彼らは母国語に似た単語も多く、アルファベットにも慣れているので、リスニングやリーディングは比較的スムーズだと話していました。
みんな、先生にどんどん質問し、思ったことを堂々と口にします。一方の私は、挙手をして指されてから話す教育を受けてきた世代。その輪に入るタイミングがつかめず、発言のハードルの高さを感じていました。
そんなとき、ドイツの高校生と同じクラスになりました。彼らは発言したいとき、人差し指をすっと挙げて、先生に指されるのを待つのです。手のひらを大きく挙げる日本の挙手とは違うスタイルですが、「順番を待ってから話す」という点は同じ。ヨーロッパでも国によって授業の作法は違うのだと知り、少し肩の力が抜けました。
マルタの語学学校でクラス変更をする方法
「このクラス、合わないかも」と思ったとき、私が実際にやった手順は次の4つです。
- 他のクラスの人に、授業の様子を聞いてみる
- 合わないと感じたら、学校に相談する
- トライアルとして別のクラスを受けさせてもらう
- クラス替えが必要なら、改めて相談する
幸い、私の学校は何度でも相談に乗ってくれるスタンスでした。
相談するときは「率直な理由」を伝える
私が学校の担当者に伝えたのは、たとえばこんなことです。
- リスニングが聞き取れず、授業についていけない
- 観光情報の話ばかりで時間が過ぎてしまい、自分には合わない
- 学びに来ているのに、間違いの指摘や最適な英語表現を教えてもらえない
具体的に伝えるほど、学校側も対応しやすくなります。
また、生徒数が多くて疲れてしまったときは、午後のクラスをマンツーマンレッスンに変更しました。
アンケートは遠慮なく活用しよう
私の学校には、入学した週・中間・最後の3回、学校へアンケートを回答する機会がありました。こうした機会があれば、率直な意見を伝えるチャンスです。
クラスのランクより「先生」で授業は変わる

私はB2クラスでしたが、B1・B2・C1の授業を通して、延べ11人の先生の授業を受けました。そこで確信したのが、ランクよりも「誰の授業か」のほうがずっと大事だということです。
同じクラスでも、先生によって授業はまったく違います。
- グループワークを重視する先生
- スピーキングを重視する先生
- 生徒の層に合わせて内容を変える先生(高校生が多い時期はクイズ形式が増えるなど)
合わなかった授業
最初の頃は、話すスピードが速い先生の英語を聞き取れず、B1に下げてもらったこともあります。
C1クラスに挑戦したときは、イギリス人の先生の話すスピードが速く、リスニングがまったく追いつきませんでした。その先生は元ラジオDJで、話すことが大好き。よくしゃべるんです。
また、正直「これならアプリやYouTubeのほうが役に立つ」と感じた授業もありました。
でも、それらは、そのときの私のレベルと、授業のスピード・質が合わなかっただけでした。
尊敬できる先生との出会い
一方で、心から尊敬できる先生に出会えたことも、マルタに留学してよかったと思える理由の一つです。
彼女はキッズから大人まで幅広く担当し、毎週入れ替わる生徒を相手に、早朝から抜け目なく教材を準備していました。授業中はリスニング・スピーキング・グラマー・ライティングをバランスよく織り交ぜ、もちろん生徒同士のディスカッションの時間も確保。計算され尽くした授業は、まるで一つのショーを見ているようでした。
「人として尊敬できる人に出会えた」と感じた経験でした。
先生選びのコツ
- 1か月以上滞在するなら、あえて先生を替えてみる
- 上のクラスも下のクラスも、トライアルで試す
- 合わないと感じたら、早めに学校へ相談する
- 「ランクが高い=良い授業」と考えない
私が選んだコースと、先生選びにこだわった理由

申し込んだのはGeneral English 30。午前に90分×2回、午後に90分×1回のコースです。多くの生徒は午前のみのGeneral English 20でしたが、マルタに来てからプライベートレッスンを追加する人もいました。
午前中の授業はテキストに沿った内容が中心ですが、午後の授業は会話に重点を置いたもので毎回テーマに基づいて英語を学んでいくものでした。
私は正社員の仕事を辞め、学費と宿泊費に約230万円を支払って留学しました。だからこそ、できる限り学びたいと考えていました。
グループレッスンとプライベートレッスンの違い
| 授業スタイル | 特徴 |
|---|---|
| プライベート | 調整してもらいやすく、自分の弱点に集中できる |
| グループ | リスニング力が伸びる。多様な国の人と文化を知れる |
プライベートレッスンも良いですが、グループレッスンにしかない学びがあります。それは、さまざまなアクセントを聞き取る力と、文化の違いに触れる経験です。
アクセントは国ごとに違う
日本人の英語がカタカナ英語になりがちなように、みんなそれぞれにクセがあります。
イタリア人は巻き舌ぎみ、スペイン人は早口で「エ」の音が頭につきやすい、フランス人は鼻にかかった音になりがち。おもしろいほど違います。
おかげで、「私の発音も全然ダメだけど、これでもいいんだ」と思えるようになりました。もちろん、先生は日本人が「RとLが苦手」なこともよく知っています。
文化の違いをもろに感じる
ペアワークで誰かを描写し、クラスメイトに当ててもらう授業がありました。相手が出してくれる有名人がヨーロッパの文化人だと、私にはまったく分かりません。逆に、私がヒュー・ジャックマンを描写したら、ヨーロッパの人のほとんどは「誰それ?」という反応でした。
「日本はやっぱりアメリカ文化なんだな」と実感した瞬間です。
お願いして断られたこと
毎週月曜の朝にならないと、先生と生徒数が分かりません。そこで私は「せめて金曜に翌週のスケジュールを掲示してもらえないか」と学校にお願いしました。留学中に旅行を計画していて、お気に入りの先生の授業を逃したくなかったからです。
結果は「難しい」とのこと。毎週多くの生徒の希望を聞きながらクラスを組む学校側の大変さも想像できます。それでも、「いつでも相談して」と言ってくれる環境があること自体がありがたかったです。こうした対応をしてくれるのは、一部の学校かもしれません。
知っておくと得するポイント

- 滞在中に学校や授業に対する「満足度アンケート」がある場合がある(私は最初の週・中盤・最後の3回)
- ディレクターが授業を視察に来ることがあり、授業の質の向上を意識している(私は3回居合わせた)
- マルタの語学学校を統括する団体の担当者が視察に来て、学校についてのヒアリングを受けたことがあった
- 4週間のレッスンごとに1週間の休暇を取れた(学校により異なるため、事前に確認を)
よくある疑問点(FAQ)
Q. マルタの語学学校のクラス分けテストは難しいか?
私の学校では、45分の択一式テストで、スピーキングはなく、リスニングもなかったと記憶しています。ただし、結果は現地に着いてから分かり、実際の授業ではリスニングとスピーキングが求められます。
Q. 思ったより上のクラスになったらどうすればいいか?
我慢せず、早めに学校に相談しましょう。私の周りでも、初日の授業後に翌日からクラスを下げてもらった人がいました。
Q. クラス変更は何回でもできるか?
学校によります。私の学校は何度でも相談に乗ってくれるスタンスでしたが、事前に確認しておくと安心です。
Q. 先生は選べるのか?
私の学校では、先生は毎週月曜の朝に分かる仕組みで、事前に指定することはできませんでした。ただ、約半年の滞在で自然といろんな先生に当たるので、合う・合わないが見えてきました。
Q. グループレッスンとプライベートレッスン、どちらの授業がいいか?
弱点を集中的に克服したいならプライベート、多様なアクセントや文化に触れたいならグループです。私は両方の良さを実感しました。
申し込み前に、学校へ確認しておきたいこと

ここまで読んで、「結局、どの学校を選べばいいの?」と思った方もいるかもしれません。
私が約半年通って感じたのは、学校の知名度や口コミの点数よりも、「合わなかったときに動いてくれる学校か」が大きな差になるということです。
特に、申し込む前に確認してほしい質問は次の3つです。
- クラス変更のルール(何日目まで、何回まで変更できるか)
- 繁忙期の人数(7・8月に1クラス何人になるか)
- 先生の決まり方(事前に分かるのか、毎週変わるのか)
学校や留学エージェントに聞くときの言い回しも含め、全17項目をチェックリストにまとめました。
まとめ
- クラスに違和感があれば、我慢せず相談してよい
- ランクよりも、誰の授業を受けるかが英語の伸びを左右する
- 上下のクラスを試すことで、自分に合う環境が見つかる
高いお金と時間をかけた留学だからこそ、「合わない授業を我慢する」より「相談して試す」ほうが、後悔が少なくなります。
2か月以上滞在して、ある程度の上達を目指すなら、クラス変更が可能かどうかも学校選びの大切な指標にしてみてください。
