マルタ留学の特徴|治安・気候・アクセス・海の近さを体験者が解説

イムハサール マルタ

授業が終わって外に出ると、白い石畳の向こうに、絵画のような青い海が広がっている。
これが、マルタ留学の“日常”です。

初めてマルタの海を見たとき、透き通るアクアブルーと濃いインディゴブルーのグラデーションに心を奪われ、 その日から「今日の海はどんな景色かな」と毎日見に行くほど魅了されました。

私は会社員を辞めて、2025年の夏に女性ひとりで語学留学を経験しました。
この記事では、実際に暮らして分かった 良い面も気になる面も、すべて正直に解説します。


マルタとはどんな国?留学先としての基本情報

空から見たマルタ

ヨーロッパに位置するマルタは東京23区の半分、ちょうど名古屋市と同じ広さという小さな国。
主な島はマルタ島、ゴゾ島、コミノ島の3つです。

通貨はユーロ、時差は日本より夏は7時間、冬は8時間遅れ。
公用語がマルタ語と英語であることが、留学先として選ばれる大きな理由です。

リゾート色が強いマルタの中でも、語学学校が集まるスリーマやセントジュリアンズは、観光地と生活圏が同居する人気エリア。
私は落ち着いた環境で勉強したかったので、華やかなエリアから少し離れたセントポールズベイに滞在。学校まで徒歩2〜3分、海まで徒歩5分という最高の立地でした。

先に結論|私の体験で評価すると

特徴私の評価ひとこと
治安◎(場所と状況による)大きな被害なし。夜の外出は注意。
気候○夏は「カラっとした夏」を想像していたが、日本の夏とそれほど変わらない。
アクセス△直行便なし。乗り継ぎで丸1日。
海の近さ◎毎日の海の景色が一番の思い出。
英語環境◎多国籍。小さなレストランやローカルのお年寄りも英語を話せる。


治安|かなり良い、でも場所と状況による

マルタは、ヨーロッパの中では比較的治安が良い国として知られています。
私自身、スリや置き引きの被害はありませんでしたし、スクールメイトからも大きなトラブルは聞きませんでした。

ですが、観光地と同じく軽犯罪への備えは必要です。

  • 夜の繁華街(セント・ジュリアンズなど)では、飲酒によるトラブルやスリに注意する
  • バッグは前に持ち、スマホをテーブルに置きっぱなしにしない
  • 夜遅くの一人歩きは、明るく人通りのある道を選ぶ

セント・ジュリアンズのクラブがあるエリアは、昼間でも大声で騒いでいる若い人たちが多く、賑やかすぎると感じました。夜は、パーティー目的の人がさらに増えると聞いたので、一人では行きませんでした。

海に行くときは、複数人で行くときは誰かが荷物番をするようにしたり、ひとりで行くときは貴重品は持たず、スマホは防水ケースに入れて泳ぎました。また、夜21〜22時以降は基本的に一人で外出しないと決めていました。

マルタは、想像していたよりも多様な人種の人々が暮らしていましたし、観光客も多い国です。だからこそ、日本にいるときのように安心しすぎないことが大切です。

私自身、予期していなかった不安な出来事にも遭遇しました。シェアアパートの鍵、バスでの身分証確認、現地の人に声をかけられたときの距離感などです。


気候|温暖だが「乾燥した夏」ではない

まぶしい太陽に照らされる海岸線

マルタは地中海性気候で、夏は暑く、冬は温暖。 日照時間が長く、青空の日が多いのが魅力です。

しかし、実際に住んでみると 湿度は日本並みに高い。
「カラッとした夏」を期待していた私は、見事に期待外れでした。日差しは日本より強いかもしれません。

加えて、クーラーの効いたビルや木陰が少ないです。もともと山がないために緑が少ない国ですが、土地開発で伐採されているので、緑のある景色が恋しくなります。

日焼け防止と暑さ対策には、凍らせた飲み物やラッシュガードパーカーが役立ちました。

時期特徴服装の目安
春(3〜5月)過ごしやすく花が咲く薄手の羽織り+長袖
5月はもう半袖でOK
夏(6〜9月)暑く強い日差し、湿度も高く感じた、海のベストシーズン半袖、帽子、日焼け止め
秋(10〜11月)海はまだ暖かく穏やか半袖+薄手の上着
冬(12〜2月)雨が多く風が冷たいダウンを着る人もいるけど、日本の冬に比べれば断然暖かい

私は冬の滞在は経験していませんが、10月の朝晩は涼しくなり、地元の方は一気に秋ムードの装いに。一方、観光客はまだ夏モードでした。

最も寒いのは1~2月。それでも暖を求めてヨーロッパや南米から観光客がやってくるそうです。

冬にマルタを訪れるなら「冬は室内のほうが寒いこともある」ということを覚えておいてください。ほとんどの住宅建物が石造りなので床から冷えてくるそうです。

アクセス|日本から直行便なし。乗り継ぎで18〜24時間

2026年の時点では、日本からマルタへの直行便はありません。
ヨーロッパや中東の都市で乗り継ぐのが基本で、乗り継ぎ1回の場合、所要時間はおよそ18〜24時間。待ち時間が長いと、24時間を超えることもあります。

  • 主な乗り継ぎ地:イスタンブール、ドーハ、ドバイ、フランクフルト、ローマなど
  • 航空券価格:時期で大きく変わり、冬(11〜3月)は比較的安く、真夏(7〜8月)は高くなる傾向

私はコストを抑えたかったので、イスタンブール(ターキッシュエアラインズ)かドーハ(カタール航空)乗りつぎの2択で検討。どちらも航空券価格は同じくらいで、ともに無料トランジットツアーを提供しています。

最終的にイスタンブール乗りつぎを選び、トランジットツアーへの参加を考慮したフライトを利用しました。ターキッシュエアラインズのトランジットツアー「Touristanbul体験記」はこちらの記事で紹介しています。

マルタ空港から市内

バスやタクシー(Grabがメジャー)で移動できます。
私は留学初日と最終日は、学校に手配してもらったハイヤーで移動しましたが、それ以外はバスを使っていました。

マルタはヨーロッパ各都市との航空便も多く、週末に周辺国へ足を延ばせるのも魅力。だから、空港はいつでも混雑していました。
現在、2028年の完成を目指して空港を拡張していますので、今後は少しずつ快適になるでしょう。

滞在ビザ

90日以内:ビザ不要
90日以上:学生ビザ必要

なお、シェンゲン協定の滞在ルールや入国手続きは変更されることがあるため、最新情報は外務省や大使館などの公式情報をご確認ください。



海の近さ|学校帰りに泳げる、これがマルタの一番の魅力

スリーマのロックビーチ

マルタ留学の最大の特徴は、生活圏と海がとても近いこと。

学校のすぐ近くに海岸線があり、放課後に散歩したり、夏には泳いだりできます。
海の色や波の様子は日によって違うので、「今日はどんな景色かな」と見に行くのが、毎日の楽しみでしたし、近所の海に何度もシュノーケリングに出かけました。

マルタの代表的なスポット

  • コミノ島のブルーラグーン:透明度の高い青い海で有名。夏は激混み。
  • ゴゾ島:ダイビングやのんびり過ごすのに人気。観光スポットもある。
  • スリーマやセントジュリアンズの海沿い:日常的に海を感じられる。ゴツゴツしたロックビーチ。

ビーチもたくさんありますが、砂浜のビーチは少なく、基本はごつごつした岩のロックビーチです。
そのため、ウォーターシューズ(マリンシューズ)を持っていくと安全・便利です。

海の注意点

海には怖さもあります。観光客が亡くなった事故も時々発生しています。
地元の人から聞いた注意は、次のとおりです。

  • 天気が良くても、波が荒れている日は海に入らない
  • ビュースポットは、険しい崖のそばであることが多い
  • 昼でも、地元の人のアドバイスを参考にして、複数人で行く



暮らしと食|スーパーが、いちばん好きな場所になった

旅行では見えない日常も、長期滞在ならではの楽しみです。

  • 日用品や食料品の値段は、日本と同じくらい
  • 濃厚なトマトペーストが激安で、ワインは1本5€前後から買える
  • 珍しいウサギ肉や良質な天然マグロや新鮮なシーフードを食べれる
  • 野菜は量り売りで買えるし、量が多くて大きいので、コスパがいい
  • 地元の人は朝が早く、夕方にはベンチで話したり、プライベート充実でのどかな雰囲気



英語環境|クラスの雰囲気は時期によって大きく変わる

7・8月はヨーロッパの学校休暇シーズンなので観光客が最も多い時期、そして語学学校の生徒も増えます。
語学学校で出会った方々は、個人、家族連れ、語学学校主催のサマースクール、学校単位の学生留学、インターン留学など、さまざまな形態で来ていました。 

私の体験

  • 6月初めのクラスは私を含めて生徒は3人、先生が一人ひとりに合わせてくれた
  • 夏のピークは生徒が10人くらい、各国の英語発音に癖があるので聞き取るだけでもヘトヘト
  • 同じランクのクラスでも、先生によって授業の内容・質は異なる

社会人の方、特に40代以降の方がひとり留学するときは、7・8月は避けたほうが落ち着いた留学生活が過ごせると感じました。



デメリット|正直に書きます

私はバスが遅れることや満員で乗せてくれないこと、電気・水道が安定して稼働しないことなどにストレスを感じました。やっぱり、日本の便利で正確なインフラ環境に慣れすぎていたからでしょう。

そのほか、私が感じたデメリットは次のとおりです。

  • 学生が多い時期は、やっぱり同じ言語・地域の人でグループになりがち
  • 夏は観光客が増え、どこに行っても混雑している
  • 公共交通機関が時間どおりに動かないことが多々ある
  • 冬は海のアクティビティが楽しめない
  • 学校アパートでは、鍵や同居人の構成などに不安があった
  • 本来は小さい国なのに、バス利用だと渋滞や遅延で移動に時間がかかる
  • 道を歩いていると、排水管の水が上から落ちてくる



マルタ留学はこんな人におすすめ

  • 海や自然のある環境で英語を学びたい人
  • ヨーロッパの雰囲気を感じながら、比較的落ち着いた環境で勉強したい人
  • 短期でも長期でも、柔軟に留学期間を選びたい人

向かないかもしれない人

  • 「乾燥した過ごしやすい夏」を期待している人
  • 日本のような安定したインフラを求める人
  • 夜の遊びやにぎやかな都会暮らしを求める人


体験者としての“リアルな結論”

マルタ留学は、 「海の近さ × 英語環境 × 治安 × ヨーロッパの空気」 この4つが揃った、他にはない留学先です。

治安や気候、アクセスに注意点はありますが、事前に知っておけば不安はぐっと小さくなります。

英語を学ぶ時間が、そのまま人生の風景を変える時間になる。それがマルタの海の近くで暮らすということです。