横浜の桜の名所「三渓園」

日本

横浜といえば、開港したことで外国人居留地や領事館などができ、現在でも異国情緒あふれる都市。

なかでも第二次世界大戦後に接収されアメリカ人が多く住んでいた時代がある「本牧」
かつてはアメリカ文化が残るおしゃれなエリアでした。

しかし、その本牧には戦前の明治時代に建てられた日本庭園があるのをご存じでしょうか。
それは横浜の定番観光地である「みなとみらい」の近代的な様相とは正反対の趣ある日本を体感できる「三渓園」です。

 

三渓園とは?

三渓園は生糸業で財を成した実業家「原三渓」の別荘で、
1906年に建てられた東京ドーム4個分の広さのある日本庭園で、2007年には国の名勝に選定されました。
入場料は大人700円。

自身の住居エリアもあるのに、当時から一部エリアを市民に一般公開していたそう。
明治の時代に人々が集う庭園を個人で作るという、その発想力がすごいなぁ。
観光とか旅行という文化って明治の時代にもあったのでしょうか?知りたいです。

現在も園内には鎌倉や京都などから移築した歴史ある建造物や桜や紅葉など季節の美しい花々が植えられ
横浜では珍しい和の世界を体験できる観光地で、近年は外国人観光客も見かけるようになりました。

また、結婚式などもできるので、和装に身を包んだカップルを見かけることもありますよ。

こちらの写真は三渓園の入口にある食事処「小島屋」

三渓園と同じ明治時代から続く老舗として今も営業されていて
店内には三渓園の昔の写真だったり、お土産がところ狭しと並んでいます。

こういう手書きのPOPって最近見なくなりましたね…
昭和世代の私としては、懐かしいこのような趣あるお店に出会えるだけでなんだかうれしいです。

 

桜の季節は特におすすめ

春は桜の名所としても地元の人々に大人気です。

三渓園へは横浜駅・桜木町駅・根岸駅あたりからバスに乗り、バス停を降りてから5分ほど歩くのですが
その「本牧桜道」にはその名の通り桜の木が両道に並んでいて、
満開になるとソメイヨシノのアーチの下を歩くことができるのです。

そして、三渓園の中に入ると、目の前には大きな池と見事な桜と三重塔が目に飛び込んできます。
なんとも美しく、昔にタイムスリップしたかのような静かさと美しい眺めです。

ここに来ると時間の流れも自分自身の感覚も変わり、鳥たちの鳴き声が聞こえてきたり、
キラキラと美しい緑や水面をみているだけで、優しく穏やかな時間が流れ始め、時がゆっくりと進んでいくようです。

三重塔は園内で最も古い建造物で、1457年に建てられ1914年に京都から移築され、
重要文化財に認定されています。

 

13もの重要文化財がある

こちらは1649年に紀州徳川家の別荘として建てられ1917年に移築された「臨春閣」。

江戸時代に建てられた建物を現代でも見ることができるなんてすばらしいことですね。
3棟に分かれた建物内では障壁画や繊細な日本建築を見ることができます。

観るというか、もはや味わうという感覚に近いです。

プチ京都気分が味わえる

園内にはお抹茶とお菓子のセットをいただけるお休み処や食事処もありますよ。

日本人でもこういうところに行かないと点てたばかりの抹茶をいただく機会ってそうそうないですよね。
あ~!幸せです。癒されます…

こんなに美しい景色を観ながら和の気分に浸れるなんて京都か金沢に来たような気分です。

これほど澄んだ水と苔が美しい池…
どうやってお手入れしているんでしょう。

帰り際の夕陽が沈む姿も美しかったです。

もしかするとこの景色は100年前の方が観た景色とさほど変わっていないのではないか?
そう思うとなんだかちょっとうれしくなりました。

コロナ禍で旅行ができない今、ふらっと非日常を味わえる三渓園は心癒されるスポットとしておすすめです。

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